ゆうちょ銀行の通帳やキャッシュカードを持っていると、郵便局でお金を借りられないかと考える人も多いはず。
実はゆうちょ銀行の口座を持っているだけでは、郵便局でお金は借りられません。
ゆうちょでお金を借りるには、担保となる定額貯金(定期貯金)を使った「自動貸付」という制度があります。
条件を満たしている人にとっては非常に便利なゆうちょ銀行。郵便局(ゆうちょ銀行)でお金を借りる方法と、自動貸付の仕組みや利用方法についてわかりやすくまとめました。
目次
郵便局(ゆうちょ銀行)でお金を借りる2つの方法とは?
ゆうちょ銀行でお金を借りる方法は大きく分けて2つ。
- 自動貸付を利用する
- ゆうちょ銀行のクレジットカード「JP BANK カード」でキャッシングする
ゆうちょ銀行には、都市銀行や地銀にあるようなカードローンの取り扱いがありません。
そのため、ゆうちょ銀行の普通預金口座を持っているだけではお金を借りられないのです。
ゆうちょでお金を借りるには「担保となる契約をゆうちょ銀行と行っている」か「JP BANK カードに新規申し込みする」のいずれかになります。
ゆうちょ銀行を利用してお金を借りる方法について、もう少し詳しく見ていきましょう。
ゆうちょ銀行でお金を借りる「自動貸付」の仕組みと利用方法
自動貸付は、ゆうちょ銀行で取り扱っている「定期貯金」と「定額貯金」を担保にお金を借りられる貸付のこと。
つまりは自分が今まで積み立ててきた貯金を資金としてお金を借りる仕組みとなります。
担保となる契約を郵便局(ゆうちょ銀行)と行っている場合のみ利用できる融資方法です。
ゆうちょ銀行で以下の商品を契約している場合に、自動貸付が利用できます。
貸付 | 対象となる商品名 |
---|---|
①貯金担保自動貸付 | 「担保定額貯金」「担保定期貯金」 |
②財産形成貯金担保貸付 | 「財形定額貯金」「財形年金定額貯金」「財形住宅定額貯金」 |
③国債等担保自動貸付 | ゆうちょ銀行及び郵便局の貯金窓口で購入した国債 |
貸付自体も2020年3月31日をもって終了しているため、現在利用できるのは「①貯金担保自動貸付」のみ。
というわけでここからは、定期預金と定額預金の契約者のみ利用できる貯金担保自動貸付(以下、自動貸付)を中心に紹介していきます。
自動貸付の概要は以下のとおり。
担保 | 定期貯金、定額貯金 |
---|---|
借りられる金額 | 預入金額の90.0%まで |
貸付期間 | 2年間 ※2年以内に貯金の満期が訪れる場合は満期まで |
金利 | 担保定額貯金の場合 返済時の約定金利(%)+0.25% 担保定期貯金の場合 預入時の約定金利(%)+0.5% |
有担保ならではのメリットも多く、自由度も高いのが特徴です。
自動貸付はどんな仕組みなのか、メリット・デメリットを見ていきましょう。
自動貸付のメリット
- 定期(定額)貯金が担保となるため審査がいらない
- 定期(定額)貯金に契約していれば即日お金を借りられる
- 未成年や学生、無職でも借りられる
お金を借りるためには通常、返済能力があるかどうかの審査が行われます。
消費者金融は金融会社から、公的融資は国から借りる方法となるため、借りたお金は返さなければなりませんよね。
一方で自動貸付は、積み立ててきた定期(定額)貯金が資金となるため、審査がありません。
収入がない状態でも、関係なくお金を借りられるので、金融機関の審査に通らない人にとっては有り難い方法です。
審査がいらないことから自動貸付は即日お金を借りられます。
即日にお金を借りられる方法は、消費者金融以外でほとんどなく、有担保融資ならではの特徴。
自動貸付でお金を借りる方法は少し特殊なため、後ほど「ゆうちょ銀行の自動貸付でお金を借りるやり方」で紹介します。
自動貸付は未成年や学生、無職でも借りれる貴重な方法です。
先程も述べたように、自身の定期(定額)貯金が担保となるため、本人名義の通帳さえあればお金を借りられます。
万が一金銭面でピンチになったら、親御さんに聞いてみるのも良いかもしれませんね。
自由にお金を借りられる反面、自動貸付のデメリットもあります。
自動貸付のデメリット
- 担保がないと利用できない
- 限度額が低く、多額の借り入れは難しい
冒頭に述べたように自動貸付は、定期貯金や定額貯金といった担保になるものがないとお金を借りられません。
自分の通帳を見て、定期貯金のところに金額の印字がなければ、貸付の対象とならないわけです。
担保がない場合は、JP BANK カードの発行を検討するか、その他の方法を検討するしかありません。
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貯金担保自動貸付は、定期(定額)貯金で預け入れしている金額の90.0%を限度額としています。
そのため100万円の貯金であれば90万円、20万円の貯金であれば18万円が借りられる限度額となります。
自身の積立金額で借りられる金額が変動するため、積立金額が少ないとピンチのときに必要な金額を借りられない可能性もあります。
1冊の総合通帳につき300万円となっているので、1回10万円借りるとしても30回以上は借りられない計算となります。
自動貸付でお金を借りるやり方
自動貸付の基本がわかったところで、実際にお金を借りる方法について見ていきましょう。
自動貸付は定期貯金や定額貯金に契約した時点で、自動的についてくるものです。
そのため基本的には申し込みも審査もなく、利用できます。
通帳の「担保定期(定額)貯金」の欄を見て、「お預かり年月日」の前に「#」の記載がなければ自動貸付を利用できる状態です。
「#」の記載があり、現時点で自動貸付が利用できない状態の人は、最寄りの郵便局もしくはゆうちょ銀行の貯金窓口で自動貸付の申し込みを行う必要があります。
下記の持ち物を持って、郵便局もしくはゆうちょ銀行へ向かいましょう。
自動貸付の手続きに必要なもの
総合口座通帳
お届け印
本人確認書類(下記いずれか)
・運転免許証
・運転経歴証明書
・マイナンバーカード
・パスポート
・身体障害者手帳
・写真付きの公的証明書類
・各種保険証
・国民年金手帳
など
利用方法は、ゆうちょ銀行の通帳とキャッシュカードを持っていつもどおり引き出しを行うだけ。
自動貸付は通常貯金の残高がなくなった状態で口座から引き出しを行うと、自動的に借り入れとなってお金が引き出される仕組みです。
通常、口座の残高が0円になるとお金を引き出せませんが、ゆうちょ銀行で自動貸付を利用している場合はお金を引き出せて、通帳の貸付高の箇所にマイナスで金額が表記されます。
通帳には「-100,000」と表記され、返済時は借り入れた10万円に利子がかかります。
ゆうちょ銀行のATMでは1日に引き出せる金額が50万円までとなります。
50万円以上の借り入れが必要な場合は、ゆうちょ銀行や郵便局の貯金窓口で対応してもらいましょう。
提携していれば利用できますが、引き出しや預け入れに手数料がかかる可能性もあるので注意が必要です。
ゆうちょ銀行や郵便局で借り入れを行う場合は、窓口が開いている時間のみの受付となります。
土日は営業をやっていないので、ゆうちょ銀行のATMを利用するのがおすすめです。
返済方法もいたって簡単で、借りた金額と利子分を預け入れするだけ。
通帳のマイナス表記が解消されれば、返済が完了したことになります。
自動貸付の貸付期間は2年間で、その間であれば分割で返済を行っても問題ありません。
10万円を借り入れて、1,000円ずつ返済していくこともできるわけです。
とはいえ返済には利子が必ずかかるため、できるならば短期間で返済してしまった方が無駄な利息を払わなくて済みます。
借入期間中は口座にお金を入金するだけで自動的に返済したことになります。そのため、意図せず返済する恐れもあるので注意してください。
ゆうちょ銀行でお金を借りると利子はいくら?
定期貯金や定額貯金を担保にしているとはいえ、ゆうちょ銀行からお金を借りている状態なので、自動貸付には利子がつきます。
自動貸付にかかる金利
- 担保定額貯金
返済時の約定金利(%)+0.25% - 担保定期貯金
預入時の約定金利(%)+0.5%
約定金利はゆうちょ銀行で定められた定期貯金の金利のこと。
ゆうちょ銀行は2日、定期貯金の金利を3日から引き下げると発表した。定額貯金も対象で、いずれも預入期間にかかわらず、0.01%だった金利を0.002%に改める。
ゆうちょ銀定期0.002%に 民営化後で金利最低:日本経済新聞
上記のように約定金利が0.002%に引き下げられたことから、金利は以下のようになります。
担保定額貯金
0.002%+0.25%=0.252%
担保定期貯金
0.002%+0.5%=0.502%
※2021年5月現在
参考:金利一覧-ゆうちょ銀行
見てのとおりゆうちょ銀行の金利はかなりの低金利。
これだけ低金利で借りられるのは他にありません。
ゆうちょ銀行に担保がある人なら利用しない手はない方法ですよ。
自動貸付の返済ができないと定期貯金は解約される
普通にお金を下ろす感覚で利用できるため、思わず何度も利用してしまいそうになる自動貸付ですが、返済できないままでいると担保となる定期貯金(定額貯金)が解約されてしまいます。
解約されると担保がなくなってしまうので、自動貸付は利用できません。
また解約後は借入金額と利子を差し引いた金額が、通常貯金の口座に入金される仕組みとなります。
ゆうちょのクレジットカードでお金を借りる方法
ゆうちょ銀行に担保がない人は、ゆうちょ銀行が発行している「JP BANK カード」でキャッシングする方法があります。
年会費 | 初年度無料 翌年度以降:1,375円(税込) ※公共料金、給与預入で翌年以降も年会費無料 |
---|---|
国際ブランド | VISA・Mastercard・JCB |
申込条件 | ◆VISA・Mastercard 高校生を除く満18歳以上の方 ◆JCB 18歳以上で本人または配偶者に安定収入がある方 高校生を除く満18歳以上の学生 |
付帯カード | 家族カード、ETCカード |
ショッピング利用枠 | ◆VISA・Mastercard 10~80万円 ◆JCB 10~100万円 |
キャッシング利用枠 | 0~50万円 |
キャッシング融資利率 | 年率15.0% |
JP BANK カードは50万円以内であればキャッシング利用が可能。海外キャッシングもできるクレジットカードです。
家族カードやETCカードも発行でき、ショッピング利用でポイントが貯まるなど、使い勝手も良いカード。
キャッシュカードと一体型のカードを発行できるので、自動貸付と並行してお金を借りる予定がある方もこれ1枚と通帳さえあれば自由にお金を借りられます。
ただし即日発行には対応していないため、申し込みから手元に届くまで1週間以上かかると思っておいた方が良いでしょう。
発行には審査があるので、自動貸付とは違って審査に通らないとキャッシングは利用できません。
その他、JP BANK カードには若者向けの「JP BANK VISAカード ALente(アレンテ)」「JP BANK JCB カード EXTAGE」があります。
クレジットカードで今すぐキャッシングしたい場合は、年会費無料で即日発行のクレジットカードを検討しても良いかもしれませんね。
ゆうちょ銀行のカードローン「したく」は取り扱いが終了
ゆうちょ銀行には自動貸付とJP BANK カード以外に、スルガ銀行の仲介として取り扱っていた「したく」と呼ばれるカードローンの取り扱いもありました。
しかし2018年10月31日をもって、カードローン「したく」は取り扱いを終了しています。
ゆうちょ銀行カードローン「したく」
※現在は受付終了
年利:7.0~14.9%
限度額:500万円
銀行でのカードローンを検討しているのであれば、他行のカードローンを契約するほかありません。
ゆうちょ銀行ではフリーローンも取り扱いなし
ゆうちょ銀行では「夢航路」と呼ばれる各種ローンを取り扱っていましたが、こちらも2019年6月28日で取り扱いを終了しています。
パーソナルローン「夢航路」
※現在は受付終了
- 自己投資応援プラン
- 教育プラン
- オートプラン(マイカーローン)
- ハッピープラン(ブライダルローン)
- エコプラン(太陽光システムの導入などに活用できるローン)
- リフォームプラン
- 不動産プラン
- フリープラン
「したく」と同様にスルガ銀行の仲介として取り扱っていたローンですが、いずれもスルガ銀行の行政処分により、業務提携を解消したことから取り扱い終了となりました。
ゆうちょ銀行(7182)とスルガ銀行(8358)は30日、業務提携を解消すると発表した。2008年の提携以来、ゆうちょ銀が代理店となってスルガ銀の個人ローン業務を取り次いでいたが、新規の相談受付を6月28日付で終了する。
ゆうちょ銀とスルガ銀、業務提携の解消を発表:日本経済新聞
現在ゆうちょ銀行では下記銀行の住宅ローンのみ仲介を行っています。
- ソニー銀行の住宅ローン
- SBI新生銀行の住宅ローン
マイカーローンやブライダルローンなど、お金を借りる目的が明確にある場合は、ゆうちょ銀行以外の銀行でローンを検討しましょう。
郵便局でお金を借りるなら保険を利用する方法もある
郵便局でお金を借りるなら、ゆうちょ銀行での貸付以外に、生命保険を取り扱う「かんぽ生命」で契約者貸付を利用する方法もあります。
対象:かんぽ生命で解約返戻金がある保険に加入している人
利率:1.5~2.5%
契約者貸付でお金を借りるには、契約者本人が郵便局で手続きをする必要があります。
かんぽ生命の契約者貸付は審査があるため、即日の借り入れはできません。
審査に通れば郵便局の窓口もしくは、口座への振込で受け取れます。
郵便局(ゆうちょ銀行)は全国24,000以上の窓口があり、借り入れしやすい特徴がありますが、定期貯金や生命保険といった担保がないと借りられないのが現状です。
とはいえ担保を持っている人なら、他の借入方法と比較しても自由度が高く、低金利なメリットもあります。
審査なしですぐにお金を借りたい人にとっても、ゆうちょは大きな味方となるはずです。
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レイクの貸付条件
*1 21時(日曜日は18時)までのご契約手続完了(審査・必要書類の確認含む)で、当日中にお振込が可能。一部金融機関および、メンテナンス時間等を除きます。
*1 審査結果によってはWebでの契約手続きが行えない場合があります。
*2 初めてなら初回契約翌日から無利息、無利息期間経過後は通常金利適用。30日間無利息、60日間無利息、180日間無利息の併用不可。ご契約額が200万超の方は30日無利息のみになります。
*2 WEBからの申し込みのみ60日間無利息。契約額1~200万円まで。
*2 電話や無人店舗から申込むと、お借入額全額30日間無利息又はお借入額5万円まで180日間無利息のどちらかになります。
≪貸付条件≫
貸付利率(実質年率):4.5%~18.0%
※貸付利率はご契約額およびご利用残高に応じて異なります。
申込資格:満20歳~70歳(国内居住の方、日本の永住権を取得されている方)
遅延損害金(年率):20.0%
返済方式:残高スライドリボルビング方式/元利定額リボルビング方式
返済期間・回数:最長5年・最大60回
※融資枠の範囲内での追加借入や繰上返済により、返済期間・回数はお借入れ及び返済計画に応じて変動します。
必要書類:運転免許証等 ※収入証明(契約額に応じて、新生フィナンシャルが必要とする場合)
担保・保証人:不要
商号・名称:新生フィナンシャル株式会社
貸金業者の登録番号:関東財務局長(10) 第01024号
日本貸金業協会会員第000003号
2018年に2級FP技能士検定に合格後、AFP登録を実施。FPライターとして金融系記事をメインに寄稿するとともに、大手金融サイトで記事監修も開始。ファイナンシャルプランナーとして、読者に対して正しい情報を届けられるよう監修を行う。また、ファイナンシャルプランナーとしての専門知識に加え、ライターとして培ってきた知識を踏まえ、専門性の高い監修を行うことを心掛けている。